MAPO堂

最終決定は存在しない。

ガーデニングをロボットにやらせてはダメ、かもしれない

園芸家12カ月 (中公文庫)

園芸家12カ月 (中公文庫)

セネシオさん(id:cenecio)の記事で知った園芸家の本。

cenecio.hatenadiary.jp

Amazonでポチッとしようと思っていたら、 カレル・チャペックさんの書いた本にロボット(R・U・R)というタイトルの本を発見。

なんか気になってついでに買っておきました。

ロボットという言葉の生みの親は園芸家?

ロボット (岩波文庫)

ロボット (岩波文庫)

届いて表紙を見ていたら、こんな書き出し。

ロボットという言葉はこの戯曲で生まれて世界中に広まった。

何これ?ただの庭好きのおじさんじゃなかったらしい。SF作家としても有名な方でした。

カレル・チャペック - Wikipedia

「ロボット(Robot)」の語源

あとがきより、

最後に「ロボット」の語源について触れておこう。「ロボット」は、「R・U・R」の著者カレル・チャペックがこの戯曲の中の人造人間を表現するために、兄のヨゼフからヒントを得て作った新語で、チェコ語には「賦役」を意味する robota という語があり、その語末の a をとったものである。(チャペック作、千野栄一訳、ロボット(R.U.R.), 岩波文庫 あとがき)

「R・U・R」というのは、ロボットを生産する会社 Rossum's Universal Robots (ロッスムのユニバーサルロボット) 社の略称。

RUR社の構想はこんな感じ

ええ、十年もしないうちにロッスムのユニバーサル・ロボットが、小麦でも、布地でも、何もかもうんと作り出すので、そう、物にはもう値段がなくなるのです。そのときは誰でも必要なだけ取りなさいということになります。貧困もなくなります。そうです、仕事もなくなります。でもその後ではもう労働というものがなくなるのです。何もかも生きた機械がやってくれます。人間は好きなことだけをするのです。自分を完成させるためにのみ生きるのです。(チャペック作、千野栄一訳、ロボット(R.U.R.), 岩波文庫 序幕)

ロボットという言葉を生み出した人が、どういう世界を想像していたのか。

ロボットの普及が現実味を帯びてきた今、一度読んでみても良いと思います。

まとめ

「園芸家12カ月」を読むと、園芸って楽しい労働なわけですが、チャペックさんは機械にこの楽しみを取られたくないと思って、ロボットという話を書いたのかもしれない。と、花壇に水をまいた後、土に水の染みこむプツプツという心地良い音を聞きながら、勝手に妄想してみました。

カレル・チャペックさんの他の本も読んでみたくなる発見でした。