妻からのすすめで、良い本を読みましたので、ご紹介します。
アミ 小さな宇宙人
徳間文庫, エンリケ・バリオス (著), さくら ももこ (イラスト), 石原 彰二 (翻訳)
Amazonへのリンクを張っておきます。
絶版になっているようで、プレミア価格のためちょっと手が出ないです。図書館で借りてました。
- 作者:エンリケ・バリオス
- 発売日: 2005/08/05
- メディア: 文庫
国、宗教、主義(資本主義、社会主義とか)などに関係なく、子供に宇宙の基本法を教えてあげる、という書き方で書かれています。
宗教的、神的な記述も多いので、拒絶反応を示す方もいるかも知れませんが、それを超えた基本的な考え方を示すものです。
自分や他人の行動はエゴに基づくのか愛に基づくのか、分別がつくには時間がかかると思います。 私が子供の頃に読んでいたとしたら、理解できなかったでしょう。
今日のために生きるというのも、最近少しずつ理解ができるようになってきました。
人生は短い
「起こらなかった問題やこれからもけっして起こりもしない問題を心配して、頭をなやませて生きていくのをやめて、もっと”いま”というときを楽しむようにしなくちゃ、と言っているんだよ。人生は短いんだ。もし現実に、なにかの問題に直面したときはそれに全力であたって解決すればいいんだ。(以下略)」
宇宙法に関して、以下抜粋です。(本で読みたい方は飛ばしてください)
宇宙法に従う世界に位置したペドロ(地球人の男の子)がアミ(小さな宇宙人)に、宇宙法について聞き出すシーン。
「法律はないの?」
「ある。でも、例の基本法に基づいていて、すべての人々が、幸せになるようにつつくられているんだ」
「じゃ、もう、そろそろ、そのすばらしい法を教えてくれても…」
「もうちょっとのがまんだよ」笑って言った。
「じゃ、もし、その法をだれかが破ったとしたらどうなるの?」
「とうぜん、苦しむね」
「罰したり、牢屋に入れたりするの?」
「ここには罰もなければ刑務所もない。もしだれかがなにか過失をおかしたばあい、そのひとじしんが苦しむことになるんだよ。つまり、自分で自分を罰するんだ」
「自分で自分を罰する?それ、どういうこと?アミ」
「ペドゥリート、たとえばきみは、おばあちゃんのほおをなぐったりする?」
「なんてこと言うの?そんなことぜったいしないよ!…」
「もし、かりになぐったと想像してごらん。どう感じる?」
「そりゃ、とても心が痛むよ。とても後悔するし、たえられないことだよ…」
「それが、自分で自分を罰するということだよ。ひとが罰することも、投獄することも必要ない。たとえば、ここにはだれもしないことがあるけれど、それは法が禁止しているからしないんじゃないんだ。きみはおばあちゃんを傷つけたり、侮辱したり、彼女のものを盗んだりなんかしないだろう。それどころか、反対にたすけたり保護したりするだろう」
「うん、もちろん。だってほく、おばあちゃんのこと愛しているもん」
「ここは、みんな、愛し合っているんだ。みんな、兄弟なんだよ」
人類みな兄弟という言葉の、意味がわかった気がします。
「それじゃ、組織の基本は愛なの?……」
「そのとおり、ペドゥリート。やっとわかったね。それが宇宙の基本法なんだよ」
「え!!どれが?」
「愛が」
「愛?愛が法なの?……ぼくはまた、なにかもっとずっとふくざつなものかと思っていたよ…」
「とても単純で、素朴で、しごくあたりまえのことのようであるけれど、これを感じ体得するのは容易なことじゃない。だからこそ進歩が必要となってくるんだ。進歩とは、愛により近づいていくということを意味しているんだ。もっとも進歩したひとが、より崇高な愛を体験し、より深い愛を表現するんだ。ほんとうの人間の大きさとは、ただ、そのひとの愛の度数によって決定されるんだよ…」
愛の度数。資本や階級で測れないこれ、皆が平等に持てればいいのですが、、次の質問へ。
「でもどうして、そんなにたいへんなことなの?」
「うん、それはわれわれの内部には障害があって、それがわれわれのいちばんすばらしい感覚である愛を、はばんだり、ブレーキをかけたりしているんだ」
「その障害って?」
「エゴだよ。自我、自己、うぬぼれ。われわれじしんに対するまちがった考え。ニセの自分だよ。ひとにエゴがたくさん育っていると、他人よりも自分がずっと重要だと考えるようになり、人を軽蔑したり、傷つけたり、利用したり、他人の人生を支配する権利まであるように思いこんでくる。
エゴは愛が育つさいの大きな障害になっているから、他人に対するいつくしみ、思いやり、あわれみ、やさしさ、愛情などを感じさせにくくするんだよ。
たとえば、エゴイストは自分以外にはまったく興味をもっていない。自己崇拝者……自分以外のだれも崇拝しない。自己本位者……自分のことしか話さない。自己中心主義者……宇宙が自分を中心にまわっていると思いこんでいるひと。
人間の進歩とは、エゴを減少させて、愛が育っていくようにすることを言うんだよ」
子供の自己主張をみていると、エゴがある事自体は本能であり可愛いものではありますが、 大人の自己主張に嫌な感じを受けるのはなぜなんだろうか。(自分はするのもされるのもあまり好きではないんですけどね)
読み終わったら、Imagine
作中でも紹介されているジョン・レノンのイマジンを聞くと良いでしょう
こんな歌詞だったんだと、よく理解できました。
日本語訳付きはこちら。
もう少し解説が欲しいという方は、こちらの記事などが参考になるかもしれません。
まとめ
シェアリングする社会に移行しようという方向性は、間違っていないと思います。
必要なものが必要なときに自由に使える世の中っていいですよね。
が、資本主義社会なのでシェアリングエコノミーとなっちゃうところは仕方ない面がありますね。
欲張らず足るを知り、必要なときに必要な分を仲良く使える世界にしたいものです。
マスク足りなくなっちゃう問題とかね、あれは何だったんでしょうね。
読みたい方は、図書館でシェアすると良いでしょう。
お金が有り余っている人は買ってください。富の再分配は資本主義社会で為せるシェアリングの一つだと考えることもできます。
今週のお題「おうち時間2021」