MAPO堂

最終決定は存在しない。

ザリガニの鳴くところ、それはどこか?

非常に面白い本を読みましたので、記録しておきます。

読んだ本

ザリガニの鳴くところ、作者:ディーリア・オーエンズ、訳: 友廣 純

原作本

Where the Crawdads Sing

Crawdad というのは、ザリガニ(Crawfish)ってわけでもなさそうですね。正確な日本語はないのかも。

ejje.weblio.jp

タイトルが秀逸

ザリガニって鳴くんだっけと思いながら読みすすめていきました。

ザリガニの鳴くところは本を読めばわかってきます。

がそれ以上に、ミステリーなお話とも言えます。

ちょっとネタバレになってしまうので、あまり書けません。

生物学者ならではの発想なのでしょうか、 女というか雌の生存本能を感じる、そんなお話でした。

ぜひ読んでみてください。

映画のOfficial Trailer

映画化もされたようです。日本での公開は未定のようですけどね。

www.youtube.com

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橘玲「スピリチュアルズ」を読む。私もサイコかも、あなたは?

橘玲さんの本を読んでみました。

霊的な感じはない本でした

タイトルはシャーマンとか精霊的な雰囲気を感じますが、心理学などの自然科学的な事実から書かれた本でなかなか面白いです。

メンタライジングという概念を知る

メンタライジングという観点は初めて聞きました。

こんな違いと理解しました。

  • 共感力は、相手の気持を自分の気持ちと重ねること。
  • メンタライジングは、相手の気持を自分とは別の相手自身の状態として理解すること。

わかりやすく説明されていた気がするので、メモ。

共感とメンタライジングは脳の異なる機能だが、しばしばいっしょくたにされて議論が混乱する原因になっているので、ここで少し詳しく説明しておこう。
幼い子どもを被験者に、サリーとアンの指人形を使った有名な実験がある。
最初にサリーが登場し、カゴにおはじきを入れて舞台を去る。次にアンが登場し、おはじきをカゴから箱に移し替える。もういちどサリーが舞台に戻ってきたときに、子どもたちに「サリーはおはじきを見つけようとしています。どこを探すでしょう?」と質問する。

3歳までの子どもたちは、この課題に「箱のなかを見る」と答える。なぜなら、おはじきはそこにあるから。 4歳を超えると、サリーがカゴのなかを探すとわかるようになる。自分たちの知識(おはじきは箱の中にある)と、サリーのこころの状態(おはじきがカゴのなかにあると思っている)を区別できるようになる。 これが「メンタライジング」で、相手と自分の気持ちを重ね合わせる「共感」とは異なる。乳児は泣いている隣の乳児をなぐさめようと共感するが、その子の気持ち(なぜ泣いているのか)を理解しているわけではない。

共感力とメンタライジングの度合いをマトリクスにすると、以下に分類できるようです。

自分は、「あなたの気持ちはわかりますが・・・」と思ったり言ったりすることがあるなーと思い返しました。理解はしているが、他人に共感できないので、サイコに分類されるかもと思いました。

「わかっている(理解してる)」って言ってるじゃんと言っても、「わかってくれない(共感してくれない)」と言われるもどかしさは、この違いだったのかもしれません。

男のほうが女よりも、共感力は低いようなので、普通かもしれないですけどね。

この違いが、わかっただけでも、収穫でした。

まとめ

科学で色々わかってくるのは面白いですが、選挙の投票行動の操作に使われてるかもねーという話は、なかなか末恐ろしいと思いますね。

どんな世界になっていくのか。

マーク・トゥエイン「人間とは何か」を読む。私も人間でした

ちょっときっかけを忘れてしまいましたが、こんなタイトルの本を見つけました。

「人間とは何か」

いやー、すごいタイトルだなーと思いました。

そんなもんわからんだろう、どこの誰が書いたんだろう、と思って、スルーしようと著者の名前を見ました。

マーク・トゥエイン

えっ?

トム・ソーヤの冒険マーク・トゥエインですか?

ちょっとそこから気になって仕方なくなってしまいました。

裏表紙の短い紹介文に目を通します。

米文学の巨匠トウェインならではのユーモアと鋭い洞察で人間の心理を暴く、最晩年の傑作。解説・金原瑞人

金原瑞人さんって、モームの月と六ペンスを訳した人では?と思うとやっぱりそうでした。

月と六ペンスの感想文は、こちらを参照ください。大したこと書いてないんですけどね。

mapodou.hatenablog.com

ちょっとまた読みたい衝動が発生しました。

気づいたら、こんな本を手に入れていました。

Mark Twain, What Is Man?

意外と薄い本でしたが、主張は明快。

「人間のもつただ一つの衝動ーー自分自身の賛成を得ること」

だといいます、様々な事例に対して、結局は自己満足のために存在しているのだということに帰着します。

自分が自己中心的だと思っていたのですが、人間であるから、そういうものだということがわかって少し安心しました。

マーク・トゥエインという作家の印象が変わりました

子供の頃に、トム・ソーヤの冒険を読んだおぼろげな記憶があるくらいだったのですが、 アメリカ文学といえば避けて通れない人であり、その代表作は「ハックルベリー・フィンの冒険」だそうです。

そんな事も知らなかったのかと言われそうですが、知りませんでした。

今度は、「ハックルベリー・フィンの冒険」を読んでみたくなりました。

こういう本だったら、私が大好きなポール・オースターの本を訳した柴田さんが何かやってないかと少し調べていたら、ビンゴでした。

いくつか訳がある中で、柴田さんの訳をみつけました。

ちょっと上のAmazonリンクでは出てきませんが、翻訳:柴田 元幸と書かれています。

装丁もなんだかいい感じです。

今度はこれを読んでみようと思います。

久々に、夏休みが待ち遠しい。

そんな気分です。